1956-04-04 第24回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 第18号
ローゼンバーグ夫妻をわずかなことで電気いすに乗せているアメリカにしてみれば、あの灰の分析というものは、これは非常な痛手だったと思う。痛手というよりも、あれが原子力平和利用へという良心に対しても、僕は大きな推進になったと思う。だからこの調査もせっかく国費を投じて総合的にやろうというなら、何よりもこの灰をとらえる。そして灰の分析をはっきり公開する。
ローゼンバーグ夫妻をわずかなことで電気いすに乗せているアメリカにしてみれば、あの灰の分析というものは、これは非常な痛手だったと思う。痛手というよりも、あれが原子力平和利用へという良心に対しても、僕は大きな推進になったと思う。だからこの調査もせっかく国費を投じて総合的にやろうというなら、何よりもこの灰をとらえる。そして灰の分析をはっきり公開する。
そういうものを死刑にするなんということは非常に不合理で、現にアメリカでは先だってローゼンバーグ夫妻の死刑がございましたが、その前にサッコ・バンゼッチーというイタリア人のがあります。あれは絶対真犯人が他にあってサッコ・バンゼッチーが真犯人でないということがアメリカではこのころ確定されてきたのであります。そこで死刑の判決をしたあとでアメリカ政府が非常に困っておるのであります。
この松川事件の判決というものはローゼンバーグ夫妻が殺されたように、世界中あげてこれを見ておるのであります。ローゼンバーグ夫妻はああいうふうにさばかれましたけれども、しかし世界の輿論というものはあの裁判には服しておりません。松川事件のときにもローゼンバーグ夫妻の死刑のようなあと味の悪いものを残すようなことがあつたのでは、独立して行こうとする日本の法治国としての権威に関する、これが一番大事なことだ。